グリーンホームだより

活動・コラム
COLUMN「身体拘束適正化について(2)」
人物のアイコン

前回に続き、今回は当ホームが思う身体拘束を行うことのデメリットについて掲載したいと思います。
身体拘束は、身体を動かさなくなる、思ったように動くことができないことや社会的な関係からはなされることなどによって精神的ストレスを強く感じることで、ご本人の意欲や身体機能レベルや食事摂取量などの低下を招くことにつながります。そうなりますと、今までご本人ができていたことができなくなっていきますし、スタッフの支援の時間が増えることになります。
ここが悪循環を生むことになります。スタッフも介護場面が増加し、以前のように支援ができなくなったことによってストレスが増し、ひいては虐待行為につながる要因にもなります。

当ホームでは、これを回避するための取組として、
➀身体拘束は誰にとってもよくないということを方針として示す。
➁スタッフは、ご入居者に対して目上の方として敬い、適切なマナーでもって対応する。(挨拶をきちんとする。介助をさせていただくに当たっては指示的な言葉ではなく、お願いの形を取る。24時間シートによって1日の生活を見える化・合意形成を図っておく…など)
➂ご入居者が過ごしやすい環境を整備する(できる限り家を感じられるしつらえを行う。その方が必要なものはいつでも使えるように配置しておく。職員同士の業務の声や家ではあまり聞かれない音などは極力フロアに響かせない。その方に合った椅子などを整備する。社会的関係が築けたり、日課や役割があるような生活になるように努めるなど)。
➃水分や栄養補給、トイレでの排せつをすすめる。
➄その他として、内線システム、インカム、介護ロボット、センサーなどのテクノロジーを活用する。
としていくと、入居前は対応に苦慮されていた方が日に日に自然と落ち着かれていって本来のご様子を取り戻されることが多いです。
介護保険施設では、人員配置基準が定められていて、ユニット型の施設では日中はユニット毎(ご入居者10名)に対してケアワーカー(看護職員)1名以上、夜間は2ユニット(20名)に対して1名以上の配置が義務付けられています。ほとんどの介護保険施設は、この人員配置基準以上の配置をしていると思いますが、では今以上の配置ができるかというと、介護保険施設の収入は大部分が介護報酬であるため、人員を増やしすぎるとスタッフの賃金等の処遇が低下することになり、サービスの質にも影響が出てきます。
昨今、各業界においても生産年齢人口の減少もあって人材確保が難しい上に、そのようなことがあるため、なかなか人で対応するということは難しい状況です。そこで当ホームでは、人に過度に負担をかけるのではなく、まずは環境を整備することでカバーしようということにしています。

(「私たちは、地域に信頼されるべき存在であり続けます」“We will continue to be trusted by the community” 特別養護老人ホーム 施設長)
※当COLUMNは、職員に対する身体拘束適正化に関するホーム内研修にも使用します。

この記事に対して・・・

ええな~!
26 人が「ええな~!」
と言っています。
ワーク・ライフ・バランスの取り組みについてワーク・ライフ・バランスの取り組みについて
スタッフ募集!!スタッフ募集!!

Copyright © 2017 社会福祉法人 鈴鹿福祉会
鈴鹿グリーンホーム All rights reserved

プライバシーポリシー