感染症防止の基本は、持ち込まない、拡散させない、殺菌することですが、今、福祉施設が直面している課題は、職員が濃厚接触者となった場合の自宅待機期間です。
濃厚接触者の自宅待機期間の取り扱いについて、厚生労働省ホームページには、PCR検査陰性だった場合、濃厚接触者は「患者(確定例)」の感染可能期間の最終曝露日から 14日間は健康状態に注意を払い、自宅待機。この際、健康観察期間中に何らかの症状を発症した場合には検査を直ちに実施する。とされています。
家族が感染した場合、①原則、発症日から14日間経過し、かつ、症状軽快後72時間経過した場合、退院可能とする。②ただし、発症日から10日経過以前に症状軽快した場合には、症状軽快後24時間経過した後、24 時間以上間隔をあけ2回のPCR検査陰性を確認できれば、①の基準を満たさない場合にも退院可能とする。(厚生労働省ホームページより)とありますので、陽性者本人が自宅療養となった場合はその期間、そして家族である職員は感染可能期間の最終曝露日から①の自宅待機期間を合わせる。
ということですので、自宅待機が相当期間にのぼります。
今、専門病棟の逼迫等から軽度の状態では入院が難しい状況が続いていることから、家族が自宅療養し、職員が濃厚接触者に該当するケースについて、特に入居型施設の職員に複数名生じた場合、当会の在宅サービス(デイサービス、ショートステイ)の職員がその応援に回ることになりますので、在宅サービス事業の縮小、休止せざるを得ない状況が想定されます。そうなると、在宅で暮らす要介護高齢者のご家族の介護負担負担増、就労や経済活動にも影響が生じるおそれが出てきます。
社会福祉法人の使命は、地域住民の皆さまに対する福祉の向上。その使命を果たせないばかりか、社会的にも大きな損失が生じてしまうことになります。
このことについては、先月に開催された園田修光参議院議員とのオンラインミーティングにおいても議論され、全国各地の施設からも同様の意見が寄せられているとのことで、先日、園田参議院議員や業界団体から厚生労働省に対して要望書が提出されています。
そこで、今回、厚生労働省の職域接種に関するQ&Aに基づき、配置医師と連携し、前回の職域接種で接種することができなかった職員やその家族等に対して職域接種を行いました。(特養ホームへの感染リスクを考慮し、休業日であるデイサービス棟を使用しました。)
全国的にはなかなかワクチン接種が進んでいないとの報道もある中ですが、鈴鹿市は自治体、そして休診日を割いてワクチンを接種をされている先生方のご尽力のおかげで進んできています。
地域福祉を守るため、ご理解をいただきますようお願い申し上げます。
(「私たちは、地域に信頼されるべき存在であり続けます」“We will continue to be trusted by the community” 特別養護老人ホーム 施設長(衛生管理者))
全国老施協ホームページ「R3.8.31 【政策提言】コロナ禍における高齢者福祉・介護分野への支援についての要望書を厚労省に提出」