昨年度、当ホームが参画した厚生労働省の「介護ロボット等による生産性向上の取組に関する効果測定事業」。
当ホームのはなれ棟の3つのユニット(30床)では、夜間の介護職員(夜勤職員)を2名配置することとされています。
具体的には、本事業では全床に見守り支援ロボット(Neos+Care)を導入し、職員はインカムを装着して1人で対応してみる(もう一人の夜勤職員はホーム内で待機して事務仕事などを行い、対応が必要な場合のみ居室等で介護を行う。)というものです。
(その他にマット系の見守り支援ロボット眠りSCANを13台、共有スペース等にAIカメラシステムVcareを4台併用しています。)
結果としては、1人の介護職員で29.3人のご入居者の対応が可能ではないかいうことでした。
じゃあ、ご入居者30人に対して1人の介護職員で夜勤業務を行えってこと?
現段階において当ホームでは解釈が異なります。
介護保険の持続可能性の観点からみれば、夜間帯により少ない職員数で介護を行うことができれば、その分日中の介護職員数は増えますから、高齢者が急増し働き手が急減していく中においては、有効な手法でのひとつであると思います。
しかし、当ホームがこの事業に参画した意味は、働き手がいよいよ枯渇した時になって慌てて取り組んだのでは時すでに遅しということにならないためです。「未来を想定し、試せる今のうちに取り組んでおきたい。」ということであります。
物事は多方面から見ないといけないと思います。
夜勤は施設系サービスにおいて介護職員の負担が大きい業務と言われています。
昨年の実証結果のように29.3人のご入居者に対して1人の介護職員でサービスの質を下げずに夜勤を行うことができたということは、介護職員から見ると見守り支援ロボットを全床に導入し、インカムを装着した状況で2人で夜勤を行えば、サービスの質は向上し、同時に夜勤の負担が約50%軽減しているとみることができると思います。
(当ホームではご利用開始時に使用している全てのロボットについて説明し、同意を得た上で使用しています。またご家族アンケートを毎年実施しており、介護ロボットやICTの使用にほぼ全員の方が肯定的にとらえていただいていることを確認しています。)
当ホームではこのような考え方を持っており、時の経過とともに変化していく働き手の状況に合わせていきたいと思っています。
~私たちは、地域に信頼されるべき存在であり続けます “We will continue to be trusted by the community” ~
【参考】
「介護ロボット等による生産性向上の取組に関する効果測定事業 報告書」(令和5年3月 厚生労働省 老健局高齢者支援課)
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001088471.pdf
活動・コラム
昨年度の実証結果に対する当ホームの考え方は...
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